花より男子2 最終話花より男子2 最終話土星のネックレスに手を当て、ネックレスから力をもらい、病室に入ってみるとそこにはもう誰もいなかった。 「あれ?間違えてないよな!?」 そこへ類達もやって来ます。 「もう、牧野。来てたのか」 「どうしたの?帰んの?」 「道明寺が、いなくなっちゃった」 「「「え!?」」」 楓は椿と電話しています。 「司を急に呼び出すなんて、今度は何をするおつもりですか?」 「司に、牧野つくしの記憶がないのなら、ふふっ、何にも問題ないじゃない」 「また司を自分の都合のいいように利用するんですね」 「あの子がグループの危機を招いたのよ。責任取らせるのは当然!!」 電話を切った楓。 「退院すんなら一言言えっつんだよな」 「行こう、司んとこ」 「え!?」 「今から行こう」 「よし、行ってこい」 類の車で送ってもらうつくし。 「花でも買ってく?」 「道明寺は花より団子でしょ」 「司にとっての団子は、やっぱ牧野だよね」 「あたしは団子か」 「司は花になんか見向きもしないよ。野獣の本能は、まず食べることだからね。一人で大丈夫?だよね」 「うん」 つくしはまたネックレスを握り締めてドアを開けようとすると、海が出てきた。 「海ちゃん!?」 「つくしちゃん、いらっしゃい!!」 「いらっしゃい?」 「どうぞ。司君、つくしちゃん来てくれたよ」 「は!?」 「あたし、お茶いれてくるね」 「…退院、してたんだね。具合どう?」 「そのネックレス…ムカつく」 「え!?」 「つか、何なんだよ、手前。どうやってここまで入ってきたんだよ。類の女だからって、人ん家ズカズカ入ってくんじゃねえ。目障りだ、帰れよ」 「呆れた」 「あ?」 「あ、じゃないでしょ、このタコ!!」 「タコ?」 「あたしは花沢類の女じゃないし、あたしはあたしなの!!誰々のあたしじゃないの!!」 「手前な」 「手前じゃない!!あたしは牧野つくし!!大体その口の聞き方、何よ」 「何が」 「わざわざお見舞いに来た人に向かって帰れって!!やっと最近大人になってきたと思ってたのに。やっぱりあんたは、何の成長もしてない、ただのバカ男だわ!!ったくもう頭くる」 「つくしちゃん、ちょっといいかな」 海ちゃんはつくしを連れていく。 「もうここへは来ないでほしいの」 「え?」 「今、いい感じに記憶が戻りかけててね。でも、つくしちゃん来るとイライラするみたいで。それって、つくしちゃんにとってもマイナスだと思うんだ」 「マイナス?」 「大丈夫。きっとすぐに思い出すよ。だからここは海に任せて」 「ちょっと海ちゃん…」 「司君、お茶入れてきたよ」 「お茶はいいから、またあのクッキー作ってくんねえか」 「いいよ。た~くさん作ってきてあげる。海ね、こう見えてけっこう料理得意なんだよ」 「ホントか。何作れんの?」 「肉じゃがとか」 「肉じゃがって何だよ」 海と司のやり取りを聞いて涙を流すつくし。 「どうしたの?」 「もう、いい」 つくしはネックレスを外して司に投げつけます。 「あんたは道明寺であって、道明寺じゃないんだもんね」 類や優紀達にその話をするつくし。 「もう会わない?」 「いいの、もう」 「もしかして海ちゃん、司に本気かよ」 「は。解んない」 「でも酷い。つくしが作ったもの、自分が作ったことにするなんて。許せない、その子。あたしが行ってくる」 立ち上がった優紀を引き止めるつくし。 「ありがとう、優妃。でもね」 「でも、何?」 「でも、海ちゃんどうこうじゃないんだよ」 「え!?」 「あたし、賭けてたんだよね。記憶を失っても、一からリセットされても、また選んでくれるのは自分だって。妙な思い込みがあってさ」 「つくし…」 「でも違った。自惚れてたんだよね」 「どうしたの?」 「何でもねえよ」 「いいから言ってみてよ」 「どうでもいいことなんだけど、何か気になる、あの女」 「つくしちゃんのこと?」 「何であいつ、あんなに怒って、あんなに泣いて。あの泣き顔が、気になってしょうがねえ」 「酷いよ…」 海が泣き出す。 「え!?」 「いつもいつも一緒にいる海じゃなくて…ぅ…何でたまにしか顔出さないくしちゃんのことが気になるの!?…ぅ…海じゃだめなの?…っ…海は自信あるよ。司君が失ったもの…海が埋めてあげる。…ぅ…好き。海が、支えてあげる」 司に抱きついて泣く海。 家に戻ったつくしは魚の三枚下ろしに挑戦しようとはりきっています。 でもこっちに戻ってきてから、元気であるが、空元気のようだと両親には思われています そこへ類から電話がかかってきます。 『司、だいぶ具合よくなってさ』 「そう」 『でね、あきらが快気祝いしないかって。牧野も行かない?』 「あたしも?」 『優紀ちゃん?も誘ってさ』 「でもあいつといると、ムカつくだけだし」 『牧野は踏まれても踏まれても負けない、雑草のつくしじゃないの?』 そして雪山にやって来ました。 ホテルは全館貸し切りで、司は別に来るらしい。 優紀は総二郎にスキーを教えてもらいに行きます。 海とやってきた司。 「よ」 「こんにちは~。今日はお招きいただき、ありがとうございます」 露骨に嫌な顔をする類。 「何で連れてきたんだよ」 「一緒に来るって言って聞かなくて」 あ~つくしちゃん!!久し振り~。元気だった?」 「あ、うん」 「あ、待ってよ、司く~ん」 「何だ、ありゃ?すっかり彼女気どりだよな」 温泉に入っているつくし。 「ったく!!何考えてんだよ、あのバカ男は」 そこへ海がやって来ます。 「ごめんね、飛び入り参加させてもらって。ちょうどいい機会だから、報告したいと思って」 「報告?」 「うん。残念だけど、司君、やっぱりつくしちゃんのこと思い出さないみたいなの。でも、だいぶ明るくなったし、とってもいい傾向だと思うんだ」 「そ。あたし、のぼせちゃうからあがるわ」 「それから、言いづらいことなんだけど、あたし、司くんが好きなの」 「え?」 「ごめんね。最初はそういうつもりは全然なかったし、つくしちゃんのこと裏切ってるって自分を責めたりしたんだけど、思い切って、司君にこのことうちあけたら、彼も同じ気持ちみたいで」 「司の奴、記憶がなくなる前に付き合ってたのが、あの海って女だとか思ってたんじゃないのか」 「意味不明の女を撃退するのは、俺らがしてやるか」 「よっしゃあ。海ちゃん誘惑大作戦でいきますか」 「イェイ!!」 類は立ち上がると、話し始める。 「大丈夫だよ。そんなことしなくても。あの子と司はそんな風にはならない」 「何を根拠にそんな自信満々なんだよ」 「だって、司は野生動物だもん。それに、あの子に牧野は越えられないよ」 「でも、牧野も諦め入ってんじゃね?」 「大丈夫だよ」 ロビーで一人でいるつくしのところに司がやってきました。 「俺達が思っているよりもずっと、あの二人の絆は強いよ。俺達が一番見てきたじゃん」 「「そうかもしんねえな」」 「あのよぉ。あんた、何で最近顔、見せなかったんだ?」 「自分が来るなって言ったんでしょ」 「あんたは、あんたは何か知ってんのか?」 「知ってるよ。でもそれは、自分で見つけないと意味のないことだと思う」 司は去っていくが、それを怖い顔で海は見ていた。 つくしに投げつけられ、返されたネックレスを持っている司。 「畜生!!イラつく!!」 「司、そろそろ飯にするってよ」 「おう、すぐ行くわ」 「司く~ん。クッキー焼いたの。ほら、また食べたいって言ってたでしょ」 「おう」 「焼きたてだから、この前より美味しいと思うんだ。そういえばね、この前、友達に、司君のこと話したら、すごく会いたがってね。今度、会ってくれる?皆びっくりするだろうな」 クッキーを一口かじった司は何かに気づく。 「あ、それから海ね、二人で行きたいとこあって」 いきなりクッキーの箱を投げつける司。 「何すんの?どうしたの。司君」 「お前、嘘ついたな」 「え!?」 「こないだのクッキー、お前が作ったんじゃねえだろ」 食堂にやってきた総二郎。 類はヴァイオリンを弾き、あきらは席に着いていた。 「あれ!?司は?」 「さっき呼んだんだけどな」 「まだ、皆揃ってないの?」 つくしもやって来ました。 「優紀ちゃんは?」 「あれ、先に来てると思ってたのに」 「呼んできてよ」 「うん」 つくしの出て行った方を見つめる類。 「思い出したの?全部」 「思い出せねえ!!でも、忘れたことがどれだけ大事かってことは感覚で覚えてんだよ」 「でもね、思い出せないのは自分がそのこと自体を拒否してるからだと思うの。だったら、今から新しい自分と向き合った方が幸せになれると思う。こないだのクッキーはたしかにあたしが作ったんじゃない。でもね、それは、司君を喜ばせようと思う一心で」 司の手をとろうとした海を振り払う司。 「お前!!何かって言うと人のためって言ってるけど、実は全部自分のためだろ。お前がいてもイラつきも怒りも治まらねえ。欠けた記憶ってのはな、俺を怒りとイラつきの世界から連れ出してくれたんだよ。お前は俺と一切関係ねえ」 「酷いよ…こんなに好きなのに…。酷いよ、司君」 海は出ていってしまう。 司は手にネックレスを握り締めていた。 ぼ~っとする海のところへつくしがやって来た。 「どうしたの?」 「優紀、見なかった?」 「優紀ちゃん?」 「どこ行ったんだろう」 「忘れ物をね」 「え?」 「優紀ちゃん、山頂のレストランに忘れ物を取りに行ったけど」 「忘れ物?」 「吹雪き始めてるし、ゴンドラが止まってるみたいだから、明日にしたらって言ったんだけど、どうしても大事な物だからって」 外の吹雪を見て、つくしは駆け出す。 食堂にやってきた優紀は温泉に入っていたらしい。 「牧野は?あんたのこと探しに行ったけど、会わなかった?」 「優紀!!優紀!!」 吹雪の中、優紀を探し回るつくし。 「まさかこの吹雪の中、出歩いてるんじゃないだろうな」 立ち上がって去ろうとする海を引き止める類。 「あんた、何か知ってんでしょ」 「え!?」 「遭難したら確実に死ぬよ」 「ちょっとはっきり言ってよ!!つくしに何したのよ!?」 つくしは吹雪の中、遭難しそうにも関わらず前に進みます。 「何考えてんのよ!?」 「どうした?」 「つくしが…遭難したかも…」 「え!?」 外を見る司。 「あたし、そういうつもりなかったんですけど…。どうしよう、本当にごめんなさい」 「牧野に何かあったら…」 司はすごい速さで飛び出していく。 つくしは吹雪の中倒れてしまいます。 スノーモービルに乗って飛び出す司。 「何だよ、あいつ。牧野のこと、忘れてたんじゃねえのか!?」 「本能だよ、牧野を助けに行かなきゃなんないっていう」 倒れてしまったつくし。 「畜生…ありえないっつう…。あたし、死んじゃうのかな。死にたくないよ。あたしには夢だってあるんだから…。一生懸命勉強して、弁護士になって、家族皆で幸せになって…ああ、ウェディングドレスだって着たいよ…結婚式で、あたしの隣にいるのは…隣にいるのは…」 教会での結婚式で新郎姿の司を想像するつくし。 するとその司が叫びました。 「起きろ!!おい、起きろ!!寝るな!!」 「道明寺?」 「大丈夫か?」 「助けに、来てくれたの?」 「歩けるか?あいつ、ガス欠で壊れちまってよ。諦めんなよ」 つくしをおぶって歩き出す司。 二人の遭難はニュースになっていた。 「現在行方不明になっているのは、英徳学園3年のの牧野つくしさんです。そして、一緒に行方不明になっているのは道明寺ホールディングスの御曹司・道明寺司さんだという情報が入ってきています。現在も懸命な救助活動が…」 そのニュース画面を消す楓。 「またあの小娘と!!」 そこにケンが入ってきます。 「何してんの!?無闇に出歩くなんて」 「坊ちゃんをこのまま見殺しにするつもりですか?」 「あの子はもう息子でもなんでもないわ。出てって。あなたは表に出られる人間じゃないのよ」 「坊っちゃんは、私が生きてることを既にご存じです。しかし、会長にはそのことを一切話されなかった」 「何を言ってるの?」 「私は坊ちゃんに見つかり、その時全てを白状したんです」 『本当にすいません!!この通りです!!どうかお許し下さい!!』 「全てを話さなければ、殺されると思いました」 『家族は?奥さんや子供達は元気なのか?』 『はい』 『本当に元気なんだな、ケン!!』 『はい、元気です』 『良かった…生きてて良かったよ。ケン。ホントに良かった』 ケンの胸に顔を埋めて泣く司。 「坊っちゃんは生きてた自分のために涙を流して下さいました。会長、もう充分、坊っちゃんはグループのトップに立つ人間です。手遅れにならないうちに、一刻も早く特別部隊に救助命令を」 つくしを連れて小屋に寝かせると司は火を起こそうとします。 「ゆ、優紀は?」 「別壮にいる。海が嘘ついたんだよ」 「そっか。良かった」 つくしが目を覚ますと、司が寒そうにしていました。 「道明寺。道明寺、ありがとう」 「おう。大丈夫か?」 「思い出したの?記憶」 「残念ながら思い出せねえよ」 「じゃ、何で、あたしのこと」 「何でだろうな。お前が遭難したって聞いたら、体が勝手に動いた」 倒れた司の額に手をつくしが当てると、凄い熱があった。 司を引っ張ってきて寝かせ、薬を見つける。 「口開けて」 「え、何だよ」 「薬」 「医者が調合した薬じゃねえと…」 「黙って言うこと聞いて!!」 薬をペットボトルの水で飲ませます。 「朝には誰か来ると思うから、頑張って」 「お前、寒くねえのかよ」 「貧乏人は寒さに慣れてるから大丈夫」 「お前、貧乏人なのか?」 「そうだよ、悪い?それにあたしは雑草のつくしだから」 つくしは体を擦って暖めようとします。 「なぁ、いつかもこんなことあった気がする…」 「え!?」 「俺は雨ん中、待って、待って、待ち続けて…。俺達はどこにも逃げられないところに、閉じ込められて…。それで俺は風邪ひいて、力尽きて…。あの時も確か俺は無理やり薬飲まされて…暖められて、それに二人一緒に…一晩過ごして…。あの時、俺が一緒にいた、俺が生まれて初めて惚れた女は…はぁはぁ……牧野、お前が俺の、はぁ…運命の女だ」 「ありがとう…」 司をどつくつくし。 「やっと、思い出してくれたね」 ネックレスを出す司。 「持っててくれたんだ…」 「お前こそ…はぁはぁ…川ん中拾いに行ったのかよ」 頷くつくしにネックレスをつけてあげる司。 「やっぱり俺達は運命共同体だ」 抱き合う二人のつくしの目からは涙が流れる。 そして、司の腕枕で眠るつくし。 朝になると捜索隊が来ました。 「大丈夫ですか?」 「何だ、お前ら。勝手に入ってきやがって」 「遭難してたんじゃ?」 「あ、そうなんじゃ」 「何、寒っ!!あたし、この人と関係ないんで」 つくしが見つかって喜ぶ優紀達を見て、本当にごめんなさいと泣く海。 「泣いても許されないよ。あんたが、心から生まれ変わらない限り、誰も許さないから」 家に無事戻ってきたつくしをお祝いのご馳走が待っていた。 新聞記事につくしのことが出ていた。 『道明寺財閥後継者助けた女性 婚約発表秒読みか?一年超に渡る交際実る!?』 それを見て驚くつくし。 それを見た社長が父をやり直そうと呼び戻してくれたそうで、また社宅に戻れると喜ぶ家族。 その新聞の裏面には、先日助けたおじさんが載っていました。 「本当に大発明だったんだ…」 そのおじさんは楓に提携を申し出ていました。 もし司の結婚が本当ならば司の力添えをさせて頂きたいと言う。 わけのわからない楓のところに椿がやって来た。 「つくしちゃんが、遠山さんの恩人らしいですよ」 「つくしちゃんはおそらく道明寺グループの救世主だと思いますよ」 考え込む楓に椿が言う。 「もう認めてあげてもいいんじゃありませんか?司をここまで変えてくれたのは、つくしちゃんですわ。お母様」 翌朝、司を呼び出した楓。 「こんな朝っぱらから何だよ!?俺はもう道明寺家とは関係ない人間だろうが」 「あなたに、道明寺グループを任せます」 「は!?」 「あなたを後継者として指名するわ」 「ふざけんじゃねえ!!でも、どうしても後継者になってほしいって言うんだったら条件がある。西田を俺の秘書にしろ。俺は有能な秘書をクビにしたままにするほどバカな経営者じゃねえんだ」 そう言って去っていく司を笑顔で見つめる楓。 司は椿にNYに飛んで、大河原財閥とビジネスでの 話をつけてきたいと協力を頼む。 「牧野は大河原財閥との提携がチャラになったのは少なからず自分のせいだからと思ってるからよ」 「もう一度、合併の話が上手くまとまれば、つくしちゃんの気持ちも少しは晴れると」 「あぁ、あいつの卒業式には戻ってきたいから、すぐにでもNYに行きたいんだ」 「よし!!二人のためなら何でも力貸すよ!!」 「サンキュ、姉ちゃん」 「賢くなったな、もう~」 「まぁな」 司はNYへ飛び立ち、卒業式を迎えるつくしの元にはプロム用の赤いドレスが司から届きました。 しかし引っ越しトラックが泥濘にはまって動かなくなってしまう。 車を押すつくしを手伝いに現れたのは海だった 「海ちゃん。ありがとう」 「つくしちゃん、今まで色々とごめんなさい!!」 「もういいって」 「本当にごめんね」 笑顔で手をふる海。 プロムの会場には静が現れた。 ガス欠で止まってしまい、卒業式には間に合わない。 しかしつくしだけでも行きなさいと母に言われ、走ります。 プロム会場には桜子も現れる。 司と一緒に車から降りて現れたのは滋だった。 「ハロ~皆さ~ん」 「これから俺様からの重大発表があるから心しておけ」 走って向かうつくしの前に現れた楓と西田。 「相変わらず汚い格好して。乗っていきなさい」 「あたし、きちんとご挨拶もしないで、すみません」 「行くわよ、西田」 「奥様はあんたを認めてくれたんだよ!!」 「先輩!!」 つくしは車に駆け寄る。 「あの、ありがとうございます。今度改めてご挨拶に伺います」 楓は微笑み、窓から手をヒラヒラとふりました。 つくしが会場に着くとと既に誰もいなかった。 「嘘…間に合わなかった」 「遅えぞ!!」 「え!?道明寺…」 「何だ、お前、その格好は!?俺様が送ったドレスがあっただろう!!」 「あ!?忘れた」 「忘れた?最高だな。ふ、ったくお前は」 「あたしはやっぱり、雑草のつくしだからさ。ドレスとか似合わないんだよ」 「牧野!!」 「ん?」 「最高のお前に、伝えたいことがある」 「なぁに?」 「結婚してくれ!!」 「え!?」 「この俺様と結婚しろ」 「…」 手をさしのべる司。 「牧野!!」 つくしは司の方へゆっくりと歩き出す。 「散々遠回りしたし、散々嫌な思いさせちまったけど、それでも俺が一緒にいてえから俺と結婚しろ」 「はあ。しょうがないなぁ」 司の手をとるつくし。 「あたしがあんたを幸せにしてあげてもいいよ」 「宣戦布告だな。やってもらおうじゃん」 司はつくしをお姫様だっこすると照明がつき、客席には人が大勢いた。 「つくしちゃん、おめでとう~」 「何、これ?」 「プロムは終わったけど、皆に頼んで待っててもらったんだよ」 「嘘でしょ!?」 「なんてったって、俺様からのプロポーズだからよ」 「ありえないっつうの!!」 「踊るか、俺様と」 司に胸ポケットに薔薇を一輪挿してもらい、踊るつくし。 そして、F4の皆ともダンスを踊るつくし。 楓は会場の前までやって来ます。 西田に行きたかったら行きなさいと笑顔で送り出す。 つくしの家にやってきた司。 「お父さん、結婚して下さい」 「はい。喜んで」 「娘さんを下さいでしょ」 「あ、噛んだ」 「お父さんと結婚してどうすんのよ」 《美作さん、F4の中で一番大人で、一番優しい人。西門さん、F4で一番の遊び人だけど、本当は純粋な人。思い通りに生きろと、いつも背中を押してくれた。花沢類、あたしの初恋の人。いつでも、どんな時でも、味方でいてくれた。あたしの一番の理解者。本当に、本当に、沢山のありがとうをいいたい。そして運命の人、道明寺司。これからあたしは、ずっとずっとずっとずっと、あいつと、一緒だ》 デートの待ち合わせに遅れてきたつくしは怒る司のマフラーを掴んで顔を引き寄せ、キスするのだった。 完 ジャンル別一覧
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